CADオペレーターは、色々な意味で辛い仕事だなあ。

ひたすら製図をして腱鞘炎になったり、理解を得られなかったり、将来性に不安を抱いたり…本当に大変だと思います。設計者にも企画者にもデザイナーにもなれない半端者というような、低い自己評価をしてしまう人も多いんじゃなかなあ。

そんなCADオペレーターを辞めたい! と思った人に、ミヤケンからお話があります。

今回はCADオペレーターにオススメな転職先をメインに、この仕事からの転職を促進・アドバイスしますよ!

CADオペレーターはきつい! 自分の退職理由はどれ?

CADオペレーターを辞めたいと思ったとき、いきなり求人を探すのは無謀です。だって、どんな求人を見たらいいのかわからないから。自分自身の退職理由を、他人にしっかり説明できるくらい把握していないと転職できない! 転職すべきなのか思い悩む前に、退職理由をハッキリさせましょう。

設計者・現場作業員・職人たちとの板挟みが辛い!

設計者にも企画者にもデザイナーにもなれない半端者と、とげとげしい言葉を使いました。「何者かわからない」という曖昧な立場は、仕事内容だけじゃなくて職場の人間関係でもそうですよね。

CADオペレーターは設計者の指示通りに製図を行うんですが、「指示通りにやるだけ」だからこそのトラブルが発生することがあると思います。

実際にそれを形にする作業員とか職人さんとかとかが、困っちゃう図面を書いてしまう問題。

CADオペレーターは設計者の図面構想とか設計に口を出すことができないから、設計者の言う通りにするしかありません。だけれど、現場の人から責められるのはCADオペレーターです。

「不備がありました」「これじゃ製作できないと言われました」と設計者に報告しても、「それで問題ない」とか「知識無いのに口出しするな」とか言われちゃうんですよね。

設計者には設計者としてのプライドがあるから、自分の間違いを「知識のない人間に指摘される」ということに嫌悪感を示すんじゃないかな。ただ、製作側も製作側のプライドがあるんだよ…。

この板挟みになるオペレーターは、本当に辛いですよね。

これ設計者では?

お偉いさんは、CADオペレーターに設計者のスキル分野を求めてきます。これは「製図した図面で製作できない問題」を解決して、効率よく製作を進めるためなんですよね。上の人の判断としては何も間違ってはいません。

製図するときにオペレーターが「この設計だと、ここが困るな」「ここをこう変えたほうが、製作しやすいだろう」と考えることができたら、理想の製図ができると思います。

だけれど、CADオペレーターからすると「設計者のスキル分野には向いていない」とか「思ったのと違う」とかの問題が発生するんじゃないかなあ…。

しかも、設計者と近いスキルを要求する割に、オペレーターというだけで給料水準が下げられてしまいます。本来の仕事よりも高いスキルを要求されるのに、給料は低いとなったら本当にもうやってられませんよね。

オペレーターの仕事は多いのに! 理解されない辛さ

設計者は製図をしない!

設計者は製図にかかる時間と、オペレーターがどれだけの案件を抱えているかという仕事量を把握しきれない。それは仕方がないことかもしれないけれど、そのために「製図するだけでしょ?」「すぐ終わるよね?」みたいな態度を取ってくる設計者もいますよね。

オペレーターの仕事はとてもとても多いのに、腱鞘炎になるほどきついのに、それが理解されないのは辛いです。

製図はモノづくりの中でも特に時間がかかる仕事なのに…。

CADオペレーターの実態と将来性を考えてみた

CADオペレーターを辞めたいと考えている人の中には、将来性が不安という人も多いと思います。

まず、「CADオペレーター」という仕事が無くなることはありません。CADはモノづくりをするところにおいて、もはや必需品ですからね。建築・製造・インテリア・アパレルなどなど、色々なところでCADが使われています。

ただ、CADを使って製図をするスキルというのが一般化しているということでもあると思うんです。

高い給料を払うほどの特殊スキルじゃないということ。「設計ができる」というのは特別なスキルだから高い給料を払ってもいいけど、CADなんて少し使い方覚えれば使えるから給料は低くしようというのが企業の本音だと思います。

この仕事で高い給料を得ようと思ったら、フリーになってたくさんの案件をこなすか出来高制の会社でたくさんの案件をこなすかくらいしかないでしょうねー…。

そういう意味だと、将来性はそんなに無いんじゃないかなあ。

キャリアアップも難しい仕事だし、CADオペレーターを続ける限りは一生CADオペレーターのままです。待遇も、一生このままだと思います。

それが嫌なら、転職するしか無いんじゃないかな。

図面が描けるなら施工図技術者に転職してみては?

建築関係で働くCADオペレーターには、施工図の作成補助スキルが求められることがあると思います。建築業界においては設計業務というのはか・な・り一部のもので、施工のほうが断然仕事量が多いんですよね。

だから、「建築で働くCADオペには、施工図作成の補助くらいはしてもらわないと」というのが現場の本音だと思います。

それなら、施工図技術者に転職するのもアリなんじゃないかな?

なにジョジョ? 施工図作成まで求められるのが辛い? ジョジョそれはメイン業務以外の仕事をさせられるからだよ。逆に考えるんだ、「施工図を作ることが求められるのなら、施工図を作る仕事をしちゃえばいいさ」と考えるんだ。

CADオペレーターの将来性という観点からも、施工図作成ができるのは強みになりますからね。

CADオペレーターの転職先まとめ 向いている仕事を探そう

CADの仕事から離れたいなら、今いる業界の営業職なんかがいいんじゃないかなと思います。

CADオペレーターには設計者に近い考え方やスキルが求められるけれど、営業職に転職したときにその辛い体験が全部強みになるんですよ。「設計のこともわかる営業職」というのは、モノづくりの業界にはとてもとてもありがたい存在です。

大抵の営業職は設計のことも、現場のこともわからなくて、無茶な受注をしたり、無茶な要求をしたりします。

それで現場に嫌われちゃうんです。

設計や現場のことを理解している営業職は、現場からも好かれてクライアントにも現実的な提案ができてとてもとても強い! 頼りになります。

あとは、設備管理とか施工管理とかも「図面を描いた経験」を活かせるかと思いますよ。

CADを活かすというよりも、製図経験や仕事経験全体を活かすことを考えたほうが、CADオペレーターからの転職はうまくいくんじゃないでしょうか。

CADオペレーターは、仕事量が多くて時間もかかるのに理解されない、辛い仕事という側面があります。だけれど、板挟みにされた経験も設計者に近い考え方を要求されたことも、全部全部転職には役立つんです。

まずは自分の辞めたい理由を把握し、自分の活かせる強みを考え、それら両方を大切にした転職活動の方針を立ててみましょう。

転職活動のプランを練るのも、製図と似たものだと思います。客観的な情報をもとに整理していけば、絶対に転職成功しますよ!