どうも、ドイツ車はアウディが好きなミヤケンです。

自動車整備士の仕事をしていると、色々な車を見ると思います。それが楽しいところでもあるけれど、自動車整備士には楽しさと好きな気持ちだけではごまかせない現状があるのも事実です。

整備士を辞めたいと思う人は、とてもとても多い! 整備士あるあるという半ば愚痴を語るだけのアカウントがSNSに存在するくらいだ! しかも反応の数が半端じゃあありませんからね。

今回は、そんな自動車整備士から転職を考えたい人のための考え方や、辞めてよかったと思えるための転職ポイント・転職先などをミヤケンなりに紹介しましょう。

自動車整備士を取り巻く、惨状な現状

壊れるほど働いても、1/3も伝わらない自動車整備士。働けども働けども改善されない、惨状な現状が整備士たちの間を取り巻いています。整備士を辞めたいけど「辞めていいのかな」「どうしようかな」と悩んでいる方よ、思い返すんだー!

整備士、びっくりするほど不足している

一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会が公開しているデータを見ると、整備関係従業員の数はどんどん減っています。平成29年度には、平成28年度と比べると3,601人減っているみたいなんです。

平均年齢もだんだん上がってきていて、平成29年度時点では45.0歳。

職場ひとつあたりの整備要員の数は4.3人、しかもこれは専業として働いている整備士以外も含めての数値みたいですね。ということは、「ディーラー営業だけど整備もする人」などもいて4.3人…これは少なくないですか?

整備士の人材不足というのは、なんだか加速傾向にあるように感じられます。

整備事業を行う会社の数も減っているみたいだし、整備士がどんどん忙しくなる時代に突入しているのかもしれませんね。自動車産業自体、国内だとそれほど大きくは盛り上がらなくなってきているし、今後ますます状況は辛くなるとミヤケンは思います。

労働環境と給料、割に合わないのでは?

整備士はとてもとても忙しく、代わりの人もなかなかいないから「残業が多い」「休日出勤も結構ある」のが基本ですよね。パワハラが横行しているなど、労働環境も良くない話ばかり耳にします。

ネットを見てもそうです。

パワーハラスメント(叱咤激励)サービス残業モリモリ
(中略)
試用期間は最低賃金で年間休日80日とか

悲惨な状況の中、自動車整備振興会連合会によると平成29年度の整備要員平均年収は、387.5万円とのこと。ただ、労働者基準で語るサイトには「年収200万円」という声もあります。それはまあ、当然ですよね。だって――。

平均年齢45歳で、この平均年収だからね!

40代後半の平均年収は、一般的に450万円から500万円程度だと言われています。そもそも全職種合算の平均年収より低い基準なんだから、20代から30代前半くらいだったら200万円という年収もおかしくはありません。

いや、おかしいよ!

低すぎるよ、労働環境に合わない! こんな薄給で苦しめられるくらいなら、辞めたほうがいいんじゃないかな。

整備士を辞めたい人は、自分のことを大切にして、転職を前向きに検討しよう。

自動車整備士を辞めても自動車業界にかかわる道

整備士と違って、直接車に触れることはあまりないかもしれません。それでも、整備士から転職したとしても自動車業界にかかわり続ける道はあります。若ければ若いほどその道は開かれ、転職のタイミングが遅くなればなるほど閉ざされていく…。

  • ディーラーの営業
  • 自動車メーカーの開発系部門
  • 中古車査定士

車を整備する側から、売る側に回る。

カーディーラーを職場として整備をしていた方からしてみると、営業というのは「無茶を言う人」だったと思います。だけれど、自分が営業になったら整備士の現状と仕事がわかっているから、整備士に好かれる営業になれるんじゃないかな!

車に関する知識も深いと思うし、整備士にとって営業職というのは「人とかかわるのが苦にならなければ」天職にもなりえる仕事だとミヤケンは考えます。

他には、売る側じゃなくて「作る側」に回るというのも面白いんじゃあないでしょうか?

メーカーの開発系部門で働く人の中には、整備士資格を持っている人もいます。だって、車を開発するための知識と技術と、整備士の知識と技術が結構共通しているから。開発の仕事を学ぶきっかけとして整備士の資格を取得することもあります。

自分の知識と経験を活かして、今度は新しい車を作ろう!

今より給料が高く、待遇も改善されるはずです。

メーカーはカレンダー通りに仕事をするから休日が多いし、事業計画を死守するため効率化を推進し残業をあまりしない傾向があります。給料や待遇が改善されるだけじゃあなくて、労働環境も整備士よりグーンッと良くなりますよ。

また、新車じゃなくて中古車にかかわる仕事もいいと思います。

中古自動車査定士の資格を取得し、新しいキャリアを歩み始めてみては? それに、中古自動車査定士の受験資格に、「自動車の販売もしくは整備の経験半年以上」というものがあります。それをクリアしているから、試験も受けやすいですしね。

自動車業界以外に転職するとき、自動車整備士がアピールしたいポイント

車業界から離れて仕事がしたいという方にとって大切なのは、自分の長所・スキルに合った仕事を転職先に選ぶことです。自分にできないことは、どれだけ好きだとしても仕事として続けることが難しいですから。

じゃあ、自動車整備士にとっての長所・スキルって何? ミヤケンが考えたのはこれです。

  • コツコツ作業をするのが得意
  • 細かい作業が得意
  • 仕事に関して、常に学ぶ姿勢がある
  • (カーディーラー勤務の方なら)接客スキルも持っている
車業界以外だとしても、ほとんどの技術職に共通して必要とされる素養があり、接客スキルや折衝ごとの経験もあるというのが好印象ポイントです。そこを踏まえるとIT系エンジニアを目指すのが一番合っているんじゃないかなあというのが、ミヤケンの意見。

ただ、IT企業は乱立によりブラック企業もたくさんあるから、転職サイトを使ってホワイトな職場を見分けることが大切になってきますけどね。

ボクからのオススメは、車業界の仕事を続けるか、ITエンジニアを目指すか。

だけれど、個人にとって長所やスキルは違ってきます。自分に合う仕事を、自分自身で見つける努力と「その仕事に転職するための勉強」を怠らないようにしましょう。それさえできれば、未経験職種も転職先に十分選べます。

だって、整備士の長所・スキルとしてボクが挙げたものって、未経験業界・職種に挑戦する人に企業が求めることだから!

自動車整備士を辞めたいという気持ちが強くても、二の足を踏んでしまう理由は「転職活動と転職先に対する不安」だと思います。整備士から転職するとして、転職先なんかあるのか? 自分は企業に求められているのだろうかと、悲観的になるんですよね。

特に整備士のような技術職は、「潰しがきかない」と思って躊躇しがち。

だけれど、自動車整備士は未経験業界から求められる素養を持っています。転職先は多方面に広がってるんだよ! 楽観的に、転職を検討してみましょう。