アニメ制作会社に就職して働くアニメーター、大変な仕事だと思います。アニメは日本を代表する文化のひとつとなっているけれど、その文化を作る仕事をすることは結構きついですよね。

アニメーターから転職することを考えている人も多いと思います。

ミヤケンの知り合いにも、アニメーターから転職した人がいます。今回は、その知人の話や、ボクなりに調査したオススメ転職先などを紹介したいと思います。

アニメーターを転職した知人の話

ミヤケンの知人、名前を仮に「ツダヨシ」としましょうか。実際にアニメーターから転職した経験があって、今は楽しそうに仕事をしている人です。そんなツダヨシさんがどのようにして今の仕事に転職したのか、転職した後はどうだったのかを、ボクが知る限り語ってみましょう。

アニメーターを辞めたのは…?

ツダヨシは、下請けの動画会社に就職してアニメーターとして働き始めました。仕事は結構ハードというか、「来週放送の回」を納期ギリギリに下請けに回ってきたこともあって大変だったみたいです。

特に印象に残っていると語っていたのは、「原画が雑」だったものが1年目に回ってきたこと。経験が浅い当時のツダヨシは、「これどの線を拾ったらいいの? どう描いたらいいの? 原画ちゃんとして!」と思いながらも、がんばって仕上げました。

結局、結構誤魔化して提出したら気が付かれなくて「え、いいの?」とびっくり。

ただ、給料も低くてさらにびっくり。

動画1枚100円から150円くらいという、下請けの現実に直面して「え、こんだけ?」とこれまたびっくり! 100枚書いても1万円から1万5千円くらいにしかならなかったんで、「もうダメだ」と感じたみたいです。

下請けとしてスタッフロールに名前が載るのは嬉しかったけど…。2年目になっても単価は変わらず、絶望。

「仕事として続けるのは無理だな」と待遇から判断、案外スッパリと辞めてしまいました。

アニメ業界か別の業界か悩んだ末…

アニメを仕事にするのは難しいと痛感したツダヨシ。だけど、制作もアニメも好きだった彼は「アニメ業界に転職するか、別の業界か」とても悩みました。悩みに悩んで色んな人に相談したんですが、その中の一人に先輩アニメーターがいたんです。

そんな、大手アニメ制作会社の社員として働く先輩アニメーターが、ツダヨシに言いました。

「会社によって差はあるけど、アニメ業界全体、アニメーターの単価は低いよ」

大手に勤めていても、アニメーターとしての仕事を続ける限りは「1枚数百円」という世界からは逃げられないことを先輩から学んだツダヨシ。彼は、思い切ってアニメ業界から離れる決意を固めました。

その末に転職したのが、広告代理店。

広告のグラフィックデザインやCGなどを担当し、制作の仕事を続けています。当時はそれほど多くはなかったんだけど、最近は広告にもアニメ系のイラストやCGを使うことが多くなりましたからね。

最初は思うように仕事が出来なかったみたいだけど、経験を積むうちに裁量が大きくなって人に指示したり提案したりする立場になって、今は楽しそうに働いています。

アニメーターの転職先、どこがオススメ?

ツダヨシの例から見ると、アニメーターの転職先には「制作」が絡むところが良いのかもしれませんね。ただ、制作と言っても色々あります。特にアニメーターからの転職先に選ぶ人が多いのは、ネットを見る限りだと「ゲーム業界」「WEB業界」「広告代理店」みたいですね。

ゲーム業界

ゲーム業界は、キャラクターデザインの勉強をした人や、モデリングの経験がある人の転職先にオススメです。

他にも、最近はゲーム業界もCGアニメーションを作るところが多く、ゲームのアニメーターになるという選択肢もありますよね。ゲームとアニメは親和性が高くて、互いに盛り上げようとしている感じがあり、アニメーターから違和感なく転職出来るんじゃないでしょうか。

また、ゲーム業界は中途採用が結構盛んに行われています。

ちょっと軽い気持ちでゲーム業界の求人を検索すると、大手ゲーム会社が募集していることなんて多々ありますからねえ。最近はスマホゲームも盛り上がってきていますし、コンシューマ向け以外にも多くのゲーム会社があります。

ここからはボク個人の意見になりますが、ゲームはアニメよりも商業的側面が強いです。アニメは芸術・エンタメという側面が強いからこそ、組織経営や社員の待遇などがあまり良いとは言えない状況になっているのかなあと思います。

ゲームの方が、安定した待遇で働けるでしょう。

Web業界

Web業界は、直接的にアニメーターのスキルを活かせる場面は少ないかもしれません。

ただ、Webデザイナーとして全体のレイアウトを考えたり、良いUIを考えたりすることには、アニメーターとして学んだことが活かせます

もちろん、新しくWeb関係の技術と知識を学ぶ必要性はありますが、自分のアニメーターとしての能力を活かして新しい提案をすることもできるでしょう。Web業界において新鮮な戦力となれるんじゃないかと思います。

たとえば、イラストを使い「楽しくわかりやすいページを作る」とか、「CGを入れてみる」とか…技術を活かして創意工夫する場面は多々あるはずです。

広告代理店

ボクの知人ツダヨシが転職先に選んだ業界ですね。

広告代理店には、アニメ・サブカルチャー系を専門とする会社もあります。最近、そういう2次元系の広告が街のあらゆるところに使われていますよね。アニメの宣伝を担う広告代理店もあるし、直接的にも間接的にもアニメに関われる業界なんです。3D広告も近年は注目を浴びているし、技術を活かそうと思えば活かせるだけの土壌があります。転職者が多いわけですね。

だからこそ、アニメーターの需要も高いと思いますし、楽しくやりがいを持って働けるんじゃないのかなあとミヤケンは思うんですよ。

アニメーションスキルは、応用が利く

これはボクの意見というよりも、一般的に言われている事実として知っておいて欲しいことなんですけど、アニメーションのスキルは案外応用が利くんですよ。

ゲーム業界・Web業界・広告代理店に転職する人が多く、オススメしたいという声が大きいのは、「応用」を期待してのことです。2D専門だった人も、今は3DCGを作っているという話をネット上でよく目にします。

ここからはボクの推測なんですが、元アニメーターとして求められるスキルは、「2Dデザインができること」「3Dモデリング経験があること」という表面のものじゃないんですよね。元アニメーターに求められるのは、たとえば「頭の中に絵が描ける」ということ。

技術の芯のところを求めているから、どんな業界にも制作スキルの応用が期待できる…。

転職先を選ぶときは、自分がどういう風に応用したいかを考えるといいんじゃないかな!

アニメーターは専門職だからと、転職は難しいかなあと感じる人は多いと思います。

だけど、その専門スキルはゲーム業界・Web業界・広告代理店などで応用することが可能です。もちろん、その三つは一般的に言われているだけだから、他にもたくさん応用可能な仕事があると思います。

そういう仕事を探して転職すると、楽しく働けるのではないでしょうか。