バーテンダーの仕事は、本当に、本当に、本当にきつい…!
ボクの友人にバーテンダーがいます。彼女の名前はエイティ(ウルトラマン80が好きな子だから)といい、雇われ店長のような形で働いているんです。そんな女性バーテンに、バーテンダーを辞めたいと思うのはどんなときか、バーテンダーを辞めたい人に一言あるか質問してみました。
今回は、ミヤケンの友人エイティに聞く「バーテンダーの仕事とは?」とミヤケンが思う「バーテンダーの転職とは?」の二本立てです!
知り合いインタビュー! バーテンダーを辞めたいと思うのはどんなとき?
友達エイティは、現役バーテンダーです。東京から京都に大学進学して、京都にある個人経営のバーで働いていたんだけれど、東京にも店舗を出すということで出戻りしてきました。その店はミヤケン夫婦行きつけのオタクバー。
好きなウルトラマンは80、好きなアニメはコード・ギアスなエイティに仕事の話を聞いてきました。
※お酒が入っていたので、若干話が盛られている可能性はややあります。
とにかく激務なのだ!
「とにかくね、激務なのだ!」
ミヤケン夫婦からの奢りのシャンパンを飲み干しながら、半貸し切り状態の店内でエイティが叫びました。
お店の開店時間は夕方五時とか・な・り早く、閉店時間は朝方八時とか・な・り遅い店。大元となる京都の店舗もそうなんだけれど、ショットバー的には営業時間が長いんですよね。しかも店長みたいな立場だから、他のバーテンより早く店にいなきゃいけません。
軽く15時間は働いています。
そうじゃなくても、バーというのは夜から朝まで働くものですよね。交代制にするほど長い営業時間ではないけれど、10時間くらいは営業するお店が多いです。正社員となるとオープン前の作業とクローズ作業もあるから、10~12時間くらいは働くことになります。
デフォルトが激務なんですよねー。
仕事で飲めるのは嬉しいけど苦しいのだ!
「今もこうして飲んでるけどね、仕事で飲めるのは嬉しいけど苦しいのだ!」
激務の話を終えたエイティが、ミヤケン夫婦奢りのビールを一気飲みして叫びました。バーテンダーというのは基本的にお酒が好きだから、働いています。「客として店に来たことから働くようになる」というのが、バーテンの世界だと多いんです。
お水の業界は、普通「客になったら働けない」ものだと言われています。
たとえば風俗店の場合は「客は求人応募お断り」というのが暗黙の了解なんだけれど、バーの場合はほとんどが「行きつけのお店で働く」というルートなんですよね。
だから、お酒が好きだし、その店で飲むお酒が好き。
ただ、仕事だから飲みすぎるとしんどくなります。
かといって客におごられると断れません。店の売上になりますし、客としては「おごることの気持ちよさ」を味わいたいだろうから。
毎日毎日たくさんたくさん飲まないといけないというのは、いくらお酒大好きだとしても辛いです。体力も、内臓も、しんどい…。
「体調悪いときは、冗談抜きで死にかける」
エイティが、苦笑いして言いました。
昼夜逆転がきついのだ!
「わかっていたけれど、昼夜逆転はきついのだ!」
夜の仕事だから昼夜逆転するのは当たり前なんだけれど、こればかりはね継続的にそうならないと辛さがわからないものですよね。自律神経の乱れというのは、思った以上にさりげなくやってくるし、思った以上に人を苦しめます。
「日光を浴びている時間が減った。友達と昼から遊ぼうとなると、凄く眠いのが辛い」
休みの日に昼から友達と遊ぶとなると、帰宅後準備して遊ぶということになってしまいます。徹夜で遊びに行くわけだけれど、夜に帰宅しても眠れないんですよね。体が朝に眠るということに慣れているから。
壊れた自律神経は、元に戻らないんだなあとミヤケン夫婦は身震いして聞いていました。
それと同時に「明日休み? 遊ぼうぜ」と誘っていた自分を、殴りたくもなりましたね。
バーテンダーを一生の仕事にすることはできるの?
エイティ・インタビューの続きです。
「それだけ辛いことがあり、内臓に無茶をさせているけれど、バーテンダーは一生の仕事になると思う?」
質問したのは、ボクの妻です。
「一生ただのバーテンだったら、続けられないと思う」
ただのバーテンというのは「マネジメント」とか「経営」とかに手と口を出すことができない立場、という意味だそうです。会社員でいうところの「平社員」としての、バーテンの寿命は短いということなんじゃないかな。
会社員は別に平社員だとしても長く続けられるし、多少違和感はあったとしてもそれで頑張っている人が大勢いますよね。
ただ、バーテンダーは体をいつ壊すかわかりません。
それに、バーテンダーの給料は平社員扱いのうちはか・な・り低いです。これは料理人のイメージと同じで、バーテンダーというのは「自分の店を持ってなんぼ」だったり「受賞歴があってなんぼ」だったりするためだと思います。
逆に、新しい事業を任されたり、自分の店を持ったり、受賞歴が華やかになったりしたら年収1000万円もバーテンダーを一生の仕事にすることも可能じゃないかなあ…。
エイティは、遠い目をしながら語ってくれました。
「ただ、それも成功したらの話だけどね」
エイティは、オタクバーという形態の店にすることを自分からオーナーに提案したそうです。京都のバーは本当に普通のショットバーだったんだけれど、次の店は何か面白いことをやりたいということになり、提案したエイティの案が採用されました。
お店にはフィギュアとかオモチャとかが飾ってあって、店内にはアニソンが流れています。
エイティ自身がオタクなんですよね。
彼女が言うには「バーテンは、自分を出してなんぼ」だそうです。
楽しければ続ければいい、辛ければ辞めればいい
これまでバーテンダーの仕事の辛さとか、バーテンダーの仕事を一生続けられるかどうかとかを語ってきました。
辛い気持ちのほうが強くて楽しい気持ちが見えなくなっているなら、辞めちゃえ!
そういう人は、どのみち続けないから。
バーテンダーから転職するときの転職先や、アドバイス
転職先は、絶対に昼の仕事に絞りましょう。
一度夜の仕事を経験すると、次も夜その次も夜となるんだけれど、夜の仕事はか・な・り幅が狭いです。バーテン・飲食店・風俗店・キャバクラなどのお水関係くらいしか、選択肢が無くなってしまいます。
ボクとしては、バーテンダーとしての接客スキルを活かして違う道に進むのがいいかと思うんですよね。
たとえば、昼と夜両方で働ける「ホテル業界」がいいと思います。
バーは結構高い接客スキルが求められることがあるけれど、ホテルもそうなんです。接客スキルを今以上に磨くことによって、可能性はさらに広がります。転職後のキャリアも豊富になるから、ホテルは本当にオススメです。
あとは、自分が興味を持てるサービス業もいいと思います。
サービス業から足を洗いたいなら、コミュ力を営業職に活かすという手もあるでしょう。個人的には企画職も、バーテンダーには向いていると思います。お店のイベント企画とか、新しいカクテルに挑戦するとかそういう経験を活かせますからね。
選択肢は、豊富ですよ!
あとは、未経験の業界になるから、転職サイトを使ったほうがいいと思います。
アドバイザーに助言を求めたり、非公開求人から質の高い求人をオススメしてもらったり、メリットは大きいです。バーテンダーから転職するときの不安の相談にも乗ってくれるので、一度使ってみてください。
バーテンダーを辞めたい人に伝えたいことは、エイティもミヤケンも意見が一致しています。これだけ長々と語ってきたけれど、結局は「この仕事を楽しめなくなったら、もう終わりじゃないかな」ということです。
楽しめないなら転職しましょう。
みなさんには、他に楽しめる仕事があると思いますよ。